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「汗をかく季節になると、鼻や頬の毛穴が急に目立つようになった気がします」――夏場の施術中、鏡を見ながらそうつぶやく患者さんが増えます。皮脂と汗が混ざり合うこの時期、メイクをしても崩れやすく、毛穴の存在感にため息をつきたくなる気持ち、私もよくわかります。
ただ、毛穴の目立ちは「皮脂を落とし切れていないから」だけが原因ではありません。東洋医学の視点で見ると、実は体の内側のめぐりも大きく関わっています。
東洋医学で見る「毛穴のゆらぎ」
東洋医学では、肌は「五臓」のうち特に「肺」と「脾(ひ)」の働きと深く関わっていると考えられています。肺は皮膚の潤いやバリア機能を、脾は水分代謝や栄養の巡りを支える存在です。夏は汗をかいて体力を消耗しやすいうえ、冷たい飲み物の摂りすぎで脾がつかれると、余分な水分や老廃物がうまく巡らず、肌表面に皮脂や汚れがたまりやすくなると言われています。
さらに、冷房による乾燥と汗ばむ屋外との寒暖差で肌のバリア機能が揺らぐと、毛穴まわりの角質が乱れ、余計に開いて見えやすくなることも。「皮脂が多い=オイリー肌」と決めつけて洗浄力の強いアイテムでゴシゴシ洗ってしまうと、かえって乾燥からの皮脂の過剰分泌を招くこともあるため、注意が必要です。
施術の際に肌を拝見していても、「毛穴が気になる時期ほど、実は肌の内側が乾燥していた」というケースは珍しくありません。夏はどうしても「サッパリ」を求めたくなりますが、うるおいを保ちながら余分な皮脂や汗だけをやさしく取り除く、という引き算の発想がこの季節の肌には向いています。
今日からできる毛穴セルフケア
1. 洗顔は「こすらず包み込む」
たっぷりの泡で顔を包み込むようにやさしく洗い、ぬるま湯でしっかりすすぎます。毛穴の汚れが気になっても、指で強くこするのは逆効果。摩擦は肌のバリア機能を乱す原因になります。
2. 汗をかいたらこまめに拭き取る
汗と皮脂が混ざったまま放置されると、酸化して毛穴の黒ずみにつながりやすくなります。外出先ではミストや汗拭きシートで、こまめに肌表面をリセットする習慣をつけてみてください。
3. 「足三里(あしさんり)」で脾をサポート
膝のお皿の下、指4本分外側にあるくぼみが「足三里」です。ここを親指で気持ちいい強さで1分ほど押すと、胃腸のめぐりをサポートし、水分代謝を助けるとされています。夏バテ予防のツボとしても知られています。
4. 冷たいものより常温・温かいものを
キンキンに冷えた飲み物が続くと、脾がつかれて体の中に余分な水分(東洋医学でいう「水滞(すいたい)」)がたまりやすくなります。氷を1個減らす、麦茶を常温にするなど、小さな工夫から始めてみましょう。
5. 湯船に浸かって巡りをリセット
夏はシャワーだけで済ませがちですが、ぬるめのお湯に短時間でも浸かると、汗腺が開いて毛穴の中の汚れが押し出されやすくなります。湯上がりはすぐに化粧水で保湿し、肌の乾燥を防いでください。
6. 保湿は「べたつかない」ものを選んでもしっかりと
皮脂が気になるからと保湿を省いてしまうと、乾燥を補おうとしてさらに皮脂分泌が増えることがあります。さっぱりタイプの化粧水や乳液でもよいので、洗顔後の保湿は毎日欠かさず行いましょう。
おすすめアイテム
肌質やその日のコンディションによって合う・合わないがありますので、まずは少量から試して、ご自身の肌で様子を見ながら取り入れてみてください。
まとめ
夏の毛穴の目立ちは、洗顔だけでなく体の内側のめぐりも影響しています。「しっかり洗う」と「巡りを整える」、この両方をゆるく意識するだけで、肌の印象は変わっていくものです。完璧を目指さず、できることから少しずつ。それが、がんばらずに続けられる毛穴ケアの近道だと思います。
肌荒れが長引いたり、かゆみや痛みを伴う場合は、自己判断せず早めに皮膚科などの医療機関にご相談ください。

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