
「太ったわけじゃないのに、顔だけ大きくなった気がするんです」——最近この相談、本当に増えました。しかも決まって、こうおっしゃいます。「エラのあたりが張ってきた気がして」
体重は変わっていないのに、顔の輪郭だけ変わる。これ、気のせいではないかもしれません。今日は美容鍼歴17年の私が、その正体をお話しします。
顔の輪郭を変える犯人は「筋肉」
エラのあたりに手を当てて、歯を「グッ」とかみしめてみてください。ふくらむ筋肉があるはずです。これが咬筋(こうきん)——ものを噛むときに使う筋肉です。
筋肉は、使えば使うほど大きくなります。腕立て伏せを毎日すれば腕が太くなるのと同じで、無意識に歯を食いしばる時間が長いほど、咬筋は発達して張り出します。体重と関係なく顔の輪郭が変わるのは、これが理由のひとつです。
本来、上下の歯は「触れていない」のが正常
ここ、知らない方がとても多いところです。安静時、上下の歯は1〜2ミリほど離れているのが本来の状態。1日のうち歯が接触している時間は、食事を含めても20分程度といわれています。
今、この記事を読んでいる瞬間、あなたの上下の歯はどうなっていますか。触れていたら、それが日常になっている可能性があります。
なぜ夏に食いしばりが増えるのか
- 暑さと寝苦しさで、眠りが浅い——夜間の食いしばりは浅い眠りと関係が深いといわれています
- 冷房で肩・首がこわばる——首まわりの緊張は、あごの緊張と連動します
- 暑さそのものがストレスになる——緊張状態が続くと、無意識に歯を合わせがちです
東洋医学では、あごのまわりは「胃」に関わる経絡(気の通り道)が通る場所とされています。食いしばりが続く方に、胃の不調やこめかみの頭痛が重なるのは、東洋医学の目で見ると自然なことなんですね。
今日からできる、あご・エラのゆるめ方3つ

① 「歯を離す」を目に見える形で思い出す
意志だけでは絶対に続きません。パソコンのふちや冷蔵庫に小さな付せんを1枚貼って、それが目に入ったら歯を離す。これがいちばん確実です。
② 耳の下から首すじへ、上から下へなでる
耳の下からあごの角、そして首すじへ。力はほとんど要りません。皮膚をなでる程度の強さで、上から下へ10回。強く揉むほうが良さそうに思えますが、この部分は繊細なので、やさしいほうが結果につながります。
③ 湯船で「あー」と口を開ける
お風呂で体が温まっているときに、口を大きく開けて「あー」と10秒。3回。温まった状態でゆるめるのが、いちばんラクに届きます。
おすすめアイテム
手でなでるのが面倒な方や、すべりが悪くて肌をこすってしまう方には、かっさプレートが便利です。乳液やオイルをつけてから、耳の下→首すじへ、力を入れずにすべらせるだけ。私の患者さんでも「道具があるほうが続く」という方は多いですよ。強くこすると肌を傷めるので、あくまでやさしく使ってくださいね。
まとめ:まず「歯を離す」から
顔まわりの印象は、体重よりも筋肉のこわばりに左右されている部分が大きいと、私は17年見てきて感じています。
マッサージも大事ですが、それ以上に効くのは食いしばっている時間そのものを減らすこと。付せん1枚から、今日どうぞ。
なお、口を開けるとあごが鳴る・痛む、朝起きたときにあごがだるい日が続くという場合は、歯科・口腔外科で相談してください。マウスピースなど専門的な対応が必要なこともあります。


コメント